自動で開く扉から病院の外へ飛び出すと真っ暗だった。




気温の下がる夜とはいえ夏の熱さが身体を包む。




頬に伝う涙を拭わずにあたしは行き先も分からず歩き続けた。






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「………っ……」







あたしが泣いているからか前から歩いてくる人があたしを避けて通っていく。



でも涙を止めようという気にも拭おうという気にもならない。






白金。


白金。


白金。


白金。


白金。








考えるのは白金の事だけ。




さっきの目付きを思い出すだけでいくらでも溢れ出す涙。



言われた言葉を思い出すと泣き叫びたくなる。




「イチャついてんじゃねぇよ」


「俺には彼女なんていねぇ」