*** 「んーそろそろ、寝ようかなあ」 空の闇も濃くなってきた、ホワイトクリスマスの夜 乾いた電話の音が鳴る 「非通、知?」 いぶかしみながらも、電話をとる 「はいもしもし」 『あ、柊木さんのお宅ですか?』 「…あ、はい」 キャピキャピとした、甘ったるく耳に残る声の女性 こんな時間になんだろうかと思っていると 『あ、あたし雪兎さんの婚約者の彩って言いますぅ』 …は? こんやくしゃ コンヤクシャ …… そんなの、そんなの、そんなの、 嘘だよね 嘘、だよね