*** ――クリスマスイブ―― 今日までが学校だったのだか、冬休み前の注意等を軽く受けて生徒は下校した 私は一人、教室にいる 今日お兄ちゃんは早く帰れないかもしれないと 申し訳なさそうに言ってきた 内心ほっとしたけれど、それでもどこか寂しい心を埋めるようにして 作り物の笑顔を浮かべて、お兄ちゃんを見送った 『本当は、一緒がよかった…』 自分が思ってしまったことを咄嗟に否定して首を振る 「これで、いーのいーの」 「…何がいいって?」 ビクッ、と振り返るとそこには 「…白夜、くん」