変人

　海人主導で日用雑貨品を次々とカゴに入れていく。彩香の分と、ついでに自分で必要なものを選んでいく。自分以外のものを選ぶ事に、何かワクワクするものを感じていたりする。
　二人で手が塞がる程の大量購入になった。
　｢別にこんなにお金使わなくても…。｣
　｢無駄使いじゃないからいいんだよ。｣
彩香の倍の荷物を持ち車に向かう海人。荷物を車に入れた。
　｢どうする？何か食ってく？｣
　｢家で食べよ？今日の昼間ね、冷凍庫にあった魚を仕込んでおいたの。｣
驚いた表情を浮かべる海人。
　｢マジ？｣
　｢うん。勝手に使ったらまずいかなぁとか思ったんだけど、でも釣り名人がまたすぐ釣ってくれるからだいじょうぶかなって。｣
　｢ま、まぁね｣
さりげなく海人をたてる彩香。
　｢何作るの？｣
　｢調味料とか、あったやつで考えたから、普通のだけど…。｣
　｢でも楽しみだ！さ、帰るか｣
子供のように喜ぶ海人だった。