微妙な雰囲気のまま得意先をまわり会社に帰った二人。それぞれの机で仕事をこなす。
 仕事終わりの18時になるとすぐに席を立ちあがる海人。
 「んじゃ、お疲れさまでした」
足早に去ろうとする海人を呼び止める景子。
 「あ、海人さん、今日も色々ありがとうございました。」
 「ん?どうした??改まって。」
ソワソワしながら海人を見ている。
 「た、たまには言わないと恩知らずだと思われるんで」
そんな景子を見てニコッと笑う。
 「安心しろ、俺はお前を抱こうとは思ってないからなじゃっ」
 「な…」
無神経すぎる発言を残して帰ってしまった。
 「おい北山…、お前ら何かあったのか?もしかして…」
茶化しにきた清水部長に凄い形相で怒鳴りつける。
 「ヤッてませんからっっ」
乱暴に机を叩きつけて帰って行った景子を呆然と見送る清水。
 「ヤッてないとか…そこまで進展してんのか、奴らは」
何か二人の今後に面白さを感じてしまった清水だった。