変人

　｢あ、そう言う人もいるかもしれないけど、やっぱ私はないなぁ、会った人とその日のうちにだなんて。ナイナイ。｣
そこまで自分は弱くないという自負もある。
　｢じゃあ普段から悩みを聞いて貰ったり助けて貰ったりしてたら抱かれてもいいかなって思うわけ？｣
　｢う〜ん、それなら有り得ますけど…。｣
　｢じゃあお前は俺に抱かれる可能性あるな？ん？｣
茶化す海人に息を荒くする。
　｢馬鹿でしょ私、海人さんにはからかわれたり魚しか貰ってませんからそれにあんな気持ち悪い虫触った手で体中触られたくないし｣
半分キレていた。
　｢じ、冗談だよ｣
　｢もう｣
そっぽを向いてしまった景子。少し頭が冷めるといつも後悔する。
　(また言っちゃった…。いつも色々助けて貰ってるのは分かってるのに…。いつも憎まれ口叩いちゃう…。)
それは自分の中の本当の気持ちを必死で隠そうとしている事は自分でも分かっていた。