会社に着き事務所に入る海人。釣りに行って全く釣れなかった翌日は憂鬱だ。
 「おはようございます…。」
社内の人間なら、海人の朝イチの様子で釣果が分かる。今日は覇気がなくどんよりしている。そんな海人を見てニヤニヤしながら話しかけてきた清水部長。
 「おはよう海人みんなの心配を振り切ってまで釣りに行ってどんな大物が釣れたかな?」
 「(っく…)ボ、ボウズです…。」
それを聞き、唖然として景子が会話に入ってきた。
 「ボウズって何ですか?お坊さん釣っちゃったんですか」
イラッとする海人。
 「馬鹿かお前はボウズっつーのはなぁ、何も釣れなかった事を言うんだよ」
思わず大声を出してしまった。
 「なーんだ、全然釣れなかったんだだから私の忠告聞いて行くの止めれば良かったのに」
 「う、うるせー。い、一応ワカメだけは釣ったぞ…。」
清水が馬鹿にする。
 「ワカメそりゃ旨そうだいいもん釣ったなぁ、海人」
 「(くそっ)おいしかったっすよ、ワカメ。ワカメ、サイコー」
 「プププ」
吹き出す景子。
 「テメー、景子お前とは今日別行動だ」
さっさと外回りにでかける。
 「あっ、待って下さいよ〜」
慌てて海人の後を追った。