「うん、いい味加減だわ海人のお味噌汁にも負けないわ」
味見をして振り返る彩香。
 「あ…、おはよ起こしちゃった??」
海人の姿に気付く。
 「ゆ、夢じゃなかったんだ…。」
嬉しさがこみ上げて来たのは正直な気持ちだった。
 「え?何が?お化けたこの夢?」
 「い、いや…、もしかして昨日の出来事は全部夢だったんじゃないかって思って…」
そう言うと、彩花は海人に寄ってくる。
 「ひど〜い、ベッドの上で私をあんなにメチャクチャにしたのも夢で済ますつもり〜?」
 「あ、い、いや…だって…」
彩香は海人の言葉を唇で止める。
 「分かってる。でも夢じゃないよ…?」
唇を離して囁かれた海人は急に恥ずかしくなってしまう。そんな海人を見てニコッと笑った彩香は言った。
 「ご飯作ったの。食べよっ」
 「う、うん」
何か新婚さんみたいで嬉しくなる反面、腹を空かした少年のようになってしまう海人。二人は椅子に座る。