海人がふっと思いついたかのように言う。
 「そうだ…生活用品買いに行かなきゃいけないな。」
 「どんな?」
 「そりゃあ歯ブラシから布団までいろいろあるだろ?パンツだってそうだろ?」
 「布団は一緒に寝させてくれればいいし、パンツは毎日洗えばいいよ。なきゃないで裸でいればいいし…。」
 「お前…もしかして風俗のネーチャンか?」
 「ち、違うわよべ、別に私にお金かけなくていいって言ってるんだよ」
 「歯ブラシとかパンツとかは金かけるかけないって問題じゃないよ。必要な物は揃えなきゃ。生きて困る事はなるべくない方がいい。」
 「ありがと」
 真剣に考えてくれている海人が嬉しい。
 「明日買いに行こうな?」
 「うん。」
 だいぶ体が温まってきた。バスタオルを巻いただけの彩香に、急に恥ずかしくなる海人。
 「お、俺のTシャツとハーパン貸してやるから着ろよ」
 タンスから着替えを持ってきた。
 「デカいかもしんないけど、我慢してな?」
 「うん。」
 彩香は着替えを手にした。