「腹減ったか?」
 「ううん?ほら、私、今日…自殺する程精神的に追い込まれてたから食欲ない…。」
 「そうか。じゃあ風呂入ってる間に味噌汁作ってやるよ。その位は入るだろ?」
 「うん。ありがと。」
 彩香が風呂に入っている間に味噌汁を作る海人。風呂から上がった彩香はその味噌汁を飲む。
 「あ、おっいしぃ〜凄く」
 「ワカメ、美味いだろ〜?釣りたてだからな」
 「さっき釣ったやつ??」
 「ああ。なんてったって今日はワカメと死体しか釣ってないからね…。アハハ…」
 海人も味噌汁を飲みながら話す。味噌汁の温かさをかみしめるように話す彩香。
 「冷たい思いしたからかなぁ…お風呂といいお味噌汁といい、何か幸せ…。私ね、海人ってボロいアパートに独りで住んでて、そう言う想像をしてたの。そんな中に生活させて貰って、贅沢はないけど二人で過ごすとなんか小さな幸せ感じる…みたいな」
 「何だよ、ちゃっかり幸せ求めてんじゃんかよ」
 「うるさいなぁ」
 からかわれて自分でも矛盾してるなとは思った。
 「でも取り敢えず生きる事を選んだんだから、幸せを求めるのはいいこった」
 満面の笑みで言い放った海人。彩香はその笑顔でまた温かくなった。