「んでさぁ、税金対策しなきゃって思ってこの家建てたんだけど、俺が当たったのは全部非課税みたいでさ…、先走っちゃったんだよそんでなくてもずっと税金対策ってもんを一回やってみてーって憧れてたから、良く調べないでやっちゃったんだよ」
 「何で税金対策したかったの?」
 「え〜?何かカッコイイじゃん」
 「(この人、アホかも…)」
 呆れるばかりだ。
 「でも、別に贅沢したい訳じゃないから、豪華な家具とかいらないし。車もベンツなんて乗らないでもともと乗ってるのばかり乗ってるし。ほら、あまりそういうの言うと人間関係おかしくなるって言うじゃん。だから親にさえ言ってないんだよ。だいたい非課税って知ってたら、家じゃなくてスッゲー竿買うっつぅのなぁ?」
 「そうだね…。」
頭は悪そうだが、人間的には良さそうだと思った彩香。
 「だから贅沢な暮らしはできないぞ?する気ねーから。毎日魚だぞ?釣れなきゃおかずなしだぞ?」
 「…、お金とか贅沢なんていらないよ。」
伏し目がちに言う。
 「ん?どうかしたか?調子悪いのか?寒いか?今、風呂入れるから温まれよ。」
 海人は風呂を入れに行った。