「んじゃあ何がいいかなぁ…。彩香は?」
 「あ、それいいねちなみに何で?」
 「えっと…初恋の相手の名前」
 頭をかいて照れる。そんな仕草が可愛らしく思えた。
 「じゃ、今日から私は彩香で」
 「あ、ああ。」
 「…呼んでみてよ。」
 微妙に恥ずかしさを感じる海人。
 「あ、彩香…」
 こちら余裕の彩香。
 「なぁに、海人」
 顔を覗き込む彩花に照れる。
 「エヘヘ」
 「フフッ」
 名前で呼び合うと、お互いの距離が縮まったように感じた。
 「迷惑いっぱいかけるかもしれないけど、見捨てないでね…?」
 「死体上げる以上の迷惑なんてないよ。アハハ。俺も変人だから気にしないでな?」
 「うん。」
 怒り出すと怖いが、素直になれば素直だ。起伏の激しさだけは何となく感じた。
 車は海人の家に辿り着いた。
 「さ、着いたよ?俺の家だよ。」
車を止める。
 「えっ…?こ、これ…?」
 「うん。」
彩香はびっくりした。想像だにしてなかった豪宅だったからだ。