「聞いてる?見えないんでしょ?俺が見るから。」


私を見ながらそういうキミ。


「池田朱里です。」


私はそう答えて、下を向いた。


だって目の前に一目ぼれした相手がいるんだもん。


私今顔を真っ赤にしているだろうなぁ


自分でも顔が赤くなっている事が分かる。


「あ、あったよ。俺と同じクラスの1組だ。」


同じクラス?


「よろしくな、朱里ちゃん。

 俺の名前は松元 大樹(マツモトダイキ)だから。

 大樹って呼んで。」


松元・・・大樹くん。


「あ・・うん!私の事も朱里でいいからね」


思わず言ってしまったこのセリフ。


でも・・


名前で呼び合うことができるようになった私達。


ここから少しずつ朱里の恋が動き出した。