「何してんの!


 早く松元の所いってきなよ」


玲ちゃんは私の背中を押した。


「う・・うん。」


私は少しうなずいてから、


自分の教室へ戻った。



私が教室に入ると、


大樹はたくさんの女の子に囲まれて

いやそうな顔をしていた。


私は自分の席に。


いや、大樹の隣の席に座った。


「朱里どこいってたんだよ。」


大樹がそういうと、近くにいた女子が


『え・・?』『うそ。』『大樹くんから・・』


なんて泣きそうな顔をして言っていた。



“好きな人意外はなさない”


その言葉が私の頭の中に浮かぶ。



「ねぇ、大樹の好きな人って誰?」



「は?なんで今そんなこと聞くんだよ」



「いや・・・・なんでもない!ごめんね」


私は自分が言ったことに驚いて、謝った。


「なんで謝るんだよ。お前おもしろいな」


そういいながら、大樹は笑う。


『大樹くんが・・笑ってる』

『女子と話て笑ってるなんて初めてみた』

近くの女子がそういう。


そうなの?


女の子と話して初めて笑ったの?


ねぇ、私のこと好きなの?


それとも・・無理して笑ってるの?