夏休みが始まった。




結局、圭とはあれから1度も話していない。




うだるような暑さにやる気は奪われる。




大抵部活があるけれど、部活がない時は、クーラーのきいた部屋でゴロゴロとしていた。




何もやりたくない。




それは暑いからなのか、もっと別に原因はあるのか。




「もーいーや、めんどくさ」




部屋のベッドの上で独り言を呟いたその時だった。




机の上に置いてあった携帯電話が小刻みに震えた。




こんな時に誰だか、とため息をつきながら携帯を開く。