今回は気に入ったドレスが
あるらしく右手に持っていた
ドレスをぐん、と前に
突き出してきた
「これ、綺麗じゃない?」
母の華奢な手に握られている
ハンガーに吊るされた
純白なドレスは少し光に当たり
キラッとしていた
胸元が遠慮がちに開いていて
後ろの腰元に綺麗な形の
リボンがついている
そして何より白が綺麗なドレスだった
「...綺麗」
「でしょ?芹、着てみる?」
「え゛」
試着は避けたかったから
どのドレスを差し出されても
「ううん、何か微妙」とかで
切り抜けてきたのに、
あたしとした事が、馬鹿

