「…どうも。」 頭を下げてそのまま帰ろうとする和波。 「ちょっと待て。」 俺が腕をつかむと、諦めたように力を抜いた。 俺がドーナツを買うのを待っていてくれた和波は多分すげーいいやつなんだと思う。 近くのベンチに腰掛けた。 「何か用事か。」 「…お前、西高で一番強いんだって?」 「誰から聞いた。」 「凜太郎。」 「…そうだが。」