廊下をものすごい速さで駆け抜ける凜太郎。
「凜太郎様!待って!」
そしてそれを追いかける女子たち。
「…何事?」
女子たちの後ろから進藤と矢神が走ってきて、うちの教室の前で止まり、呼吸を整えていた。
「おい!進藤!凜太郎なんかあったのか?」
「あ…桐生。凜太郎大変なんだよ。」
「え?」
「女の子たちが凜太郎と一緒に修学旅行回りたいからって、凜太郎争奪戦みたいなの始まっちゃって。」
「…ええ?」
2人の話によれば、初めは進藤たちと回る予定だった凜太郎だが、2人の邪魔をしたら悪いと思ったらしく、他の子と回ると言い出したが、誰と回るか決まってなくて、ある男子に声をかけてたらクラスの女子にそれを聞かれていて、女子たちが「じゃあ私が凜太郎様と一緒に回る」「いや私が」みたいなやり取りになって今に至るらしい。