さくらシンドローム


呆然と立ち尽くす女性に凜太郎は話しかける。

「あの…」

「ごめんなさいね、みっともないとこ見せて。」

「いや、あの、羽川くんとはどのような関係で…」

「あ、ごめんなさい。私、瑞樹の姉の成美と言います。」

「お姉さん…」

てっきり彼女かと思った。

「学校行事のときに凜太郎くんはよく見かけてたから私は一方的に知ってたのよ。」

「そうだったんですね。…あの、お節介かもしれませんが、何か瑞樹くんとケンカでもしたんですか?あ、いや、別にこんな他人に話さなくてもいいですけど。」

「ケンカとか、そんな大したことじゃないのよ。」

成美は困ったように笑った。