午後の競技はもうどうでもよくなって、ボーッとしながら座っていた。
ズッキーはノリノリで仮装に出ている。
ズッキーのお姉さんは笑顔で写真を撮っていた。
「桐生くん、お疲れ様です。私の負けですね。」
凜太郎が隣に座った。
「…勝ったけど勝った気がしない。」
「なんですかそれ。」
「うるさい。つかお前、仮装は出ねえのか?エントリーされてたんじゃねえの?」
「ああ、私の出る競技が多すぎたのでやめてもらいました。応援合戦は出ますよ。」
「…ふーん。」
「あ、先ほど百助くんとしほちゃんが挨拶してくれましたよ。」
「は!?」
「兄がお世話になってます。って。」
「まさかお前がさくらだって…」
「バレてないと思いますよ。初めましてって言ってたし。」
…良かった。


