午前の競技も終盤に差し掛かった。
『続いては、クラス対抗リレーです。』
クラス対抗リレーはチームの点に影響しないため、力を入れているクラスは少ない。
しかし、幸雄は燃えていた。
「いいかお前ら。練習の日々を思い出せ。絶対ヘマすんじゃねえぞ。」
「お、おう。」
リレーメンバーは毎日、幸雄に練習に付き合わされていた。
凜太郎がアンカーなので、幸雄ももちろんアンカー。
「ぷっ。桐生そのメンバーで一番足遅いのにアンカーなの?ウケる。」
1組のアンカーの前の走者は矢神だ。
「うるせえ!凜太郎、ぜってえ勝つからな!」
「ふふ。楽しみです。」
凜太郎の余裕の笑みに、少しいらっとした。


