その時、女子たちの黄色い声が上がった。

何事かとグラウンドを見ると、凜太郎がいる。

「凜ちゃん人気ほんとすごいねえ。」

「…つまんねー。」

「嫉妬か?」

「そんなんじゃねえよ!」

「でもあそこまで人気だと嫉妬する気も失せるくね?」

「…」

一種目の徒競走。

凜太郎はダントツ1位だった。

「…凜太郎速え…」

「だろ?あんなんと競っても勝てるわけないよ。桐生、諦めろよ。」

「諦めねえよ!奇跡にかける!」

「…自分で奇跡とか言っちゃってるし。」