「あれ桐生の母ちゃん?美人じゃん。」

ズッキーが俺の肩に手を回して話しかけてくる。

「お前…人の母さんをそんな目で見んなよ。」

「ただの誉め言葉じゃん。俺人妻には手出さない主義だから。」

「あっそ。」

保護者席から大きく手を振ってくる人物がもうひとり。美女だ。

「瑞樹!」

「なるちゃん!」

ズッキーがすげえデレデレした顔になった。女の前ではたいがいデレデレしてるけど、こんなにデレデレしてるズッキーは初めて見た。まじきもい。

「ズッキーの彼女?」

「ううん。姉ちゃん。」

「…シスコン?」

「そう。」

「へ。」

ズッキーがあまりにもすんなりとシスコンを認めたため、呆気に取られた。