さくらシンドローム


「でも学年対抗だから、凜ちゃんと同じチームじゃん。競えないよ。」

「…あ。」

「あ、いや、待てよ。クラス対抗リレーならあるぞ。」

「え?」

「凜ちゃんのクラスが一位になるのわかってるから、特に力入れてないし、簡単にメンバーに入れると思うけど。」

「やる!入る!うちのクラスの実行委員誰だ!紙返せ!クラス対抗出る!」

名前も知らないクラスメートから紙を奪い返し、団体競技をひとつ消してクラス対抗リレーと書いた。

「俺これ出るから。絶対エントリーしろよ。」

「はひい!」

実行委員に睨みをきかせた。これで出場は確定だ。

「桐生、クラスメート脅すなよ。」

「あ?文句ある?」

「…ないよ。」