さくらシンドローム


「凜太郎って、そんなに足速いの?」

「速いも何も、学年一…いや、恐らく学校一速い。」

「まじかよ!でもあれ、あいつなんか部活入ってた?」

「いや、生徒会で忙しいみたいだしな。陸上部とかからスカウトすげえみたいだけど。」

「…へえ。」

凜太郎はそんなすげえやつなのか。勉強は学年トップで、足の速さは学校一で、喧嘩も…学校一。

おまけに優しくて、顔も整ってるときたら…

「非の打ち所ねえじゃん!」

「は?」

「俺もリレー出る。」

「はあ!?」

「凜太郎に何か1個でも勝ちたい!腹立つ!」

「大丈夫。勝ってるとこあるよ。」

「え、なに。」

「バカさ。」

「しね。」