さくらシンドローム


「うわ、」

「え、」

伸びていたはずの男の一人が凜太郎の肩を引っ張り、首に腕を巻き付け、首筋にナイフを当てた。

「凜太郎!」

「ねえ、ぼっちゃん、サツ呼んだの?」

「いえ、私が呼んだのは店員です。」

凜太郎はいたって冷静だった。

「困るんだよね、そんなことされたら。」

「私も友達が絡まれると困るんです。そして今の状況にも困ってます。手を離してください。」

「ぼっちゃん、俺らのこと舐めすぎだよね。今の状況わかってる?」

「ええ、わかってます。あなたたちは非常識すぎます。」

「…殺すぞ。」

「…はあ。」

凜太郎はため息をつくと、男の腕を掴み、そのままねじりあげた。

「うぎゃあ!」

「大人しく警察のお世話になってください。」

高城たちは呆然としていた。