― 塾で ―

授業中、真理亜の視線が僕に向いている。

そんな気がする。

昨日の事を意識しているのか?

でも僕はそれに気付かないフリをしていた。

(だめだ、勉強に集中できない。)

授業が終わって帰り支度をしていると、真理亜が慌てて教室を出て行く所を見かけた。

何か様子がおかしい。

(どうしたんだろう?)

真理亜は駅と反対の道をどんどん進んで行く。

その行動が何となく気になって無意識に後をつけていた。

そして、ある場所の前で急に姿が見えなくなった。

一瞬、彼女を見失ったと思い、慌ててその場所へとかけて行った。

【FIN】

なんだか暗い店。

(喫茶店?誰かと待ち合わせ?)

入るべきか、そのまま帰るべきか……

(なんだろう?胸騒ぎがする。)

ここまで来て帰る訳には行かない。

(よし!)

僕は意を決して中へと入って行った。