―真理亜が僕を好きになったワケ―

あの塾に通うようになって、半年ぐらい経ったある日の出来事。

友人の満男がちょっとしたイタズラを僕にした。

僕の顔にホクロシールを貼ったんだ。

「みっちゃん、何するんだよ?!」

「へへェ~、勉君、カワイイ!」

僕は慌てて洗面所へ…

鏡の前でシールを取る。

(ん?ノリがくっついてる。)

気持ち悪くて、仕方なく顔を洗った。

もちろん、メガネをはずして…

その時、女子化粧室から真理亜が出てきた。

ハンカチで顔を拭く僕を偶然目撃した。

(大苅 勉…君?)

驚いた顔。

僕は彼女に気付いていなかった。

誰も知らない素顔を…

真理亜は見てしまった。

(ス・テ・キ!)