「じゃ、僕…もう行かないと…」

(ここにいると、どうにかなりそうだ。)

その場を離れようとした瞬間。

真理亜に腕をつかまれ、そのままベッドの上に押し倒された。

(あっ!)

いきなり真理亜が僕の上に馬乗りになる。

(た、立場が逆じゃ…!?)

透けて見える胸を押しつけてくる。

いくら女性に興味がないと言っても僕も男だ。

自然と目線がそっちに行ってしまう。

(だ、だめ、理性が……)

このままでは僕の方が犯されてしまいそうだ。

「ま、真理亜さん、どうしたの?おかしいよ。君…」

「おかしい…?」

真理亜が不気味にほほ笑んだ。

「勉くん、怖がらなくていいのよ。
好きな男に体を預ける…

これが自然のなり行きなのよ。」

(そうなんだ…
い、いや!同感している場合じゃない。

こんな事、絶対間違っている。)

心と体のバランスがおかしい…

(なんだ?!…この感触は?!)

真理亜が僕の手を自分の胸に押し付けている。

それは、風船のような、マシュマロのような手触りだった。

頭がボーっとしてきた。

今ここにいるのは、本当に真理亜なのか?!

僕の知っている上品で優しい真理亜じゃない。

まるで別人…

急に怖くなった。

「ま、真理亜さん。だめだよ。こんな事…」

その行動は次第にエスカレートして行く。

自分の太ももを僕の股間に押し付けて刺激する。

(ちょ、ちょっと。)

イヤだと思いつつ、体の方は勝手に反応している。

もはや僕の体は受け入れ態勢に入ったのか?!

このまま真理亜の誘惑に負けてしまいそうだ。

「勉くん、私、前からずっとあなたの事がスキ…。」