ガリ勉くんに愛の手を

しばらく行くと、懐かしい公園が見えてきた。

そこが目的の場所。

高ぶる気持ちを必死で落ち付かせながら、後ろにいる彼女に声をかけた。

「あの、佐奈さん。」

「ん?」

「少し、休みませんか?」

僕は公園の中を指さした。

「なんで?」

相変わらずムードのない返事。

これが佐奈なんだから仕方がないけど…

「佐奈さんが疲れたんじゃないかなぁと思って。」

「全然。」

やっぱり…

でもどうしてもこの公園じゃなきゃだめなんだ。

理由を探さなければ……

「本当は、その…
足が吊りそうなんです。」

「えっ?」

何はともあれ、公園のベンチまでたどり着く事ができた。

「大丈夫なん?」

前とは全く逆のパターンだ。

ベンチに座った僕の足を佐奈がさすってくれている。

「すみません、もう大丈夫です。」

「そう?」

佐奈はそう言って僕の隣りに腰を下ろした。

「フフッ。」

僕の方をチラッと見て佐奈は急に笑い出した。

「なんかあの時の事を思い出すわ。」

「あの時?」

「映画を観に行った帰りにこの公園に来たやん。」

佐奈もちゃんと覚えていてくれたんだ。

「あの時もベンが急に足が吊って雰囲気丸潰れやったし…」

情けない所ばかり見せてしまって…