ガリ勉くんに愛の手を

みんなでワイワイ盛り上がっていると、満男が突然立ち上がった。

「もう9時前や。そろそろ帰らなあかんわ。」

「えっ?!もう帰っちゃうの?」

「ああ、真理亜の家は門限が厳しいからな。」

酔っ払ったおじさんが満男にからんで帰そうとしない。

「おい、夜は長いで。こんな時間に彼女帰したらいつエッチするんや?」

満男と真理亜が顔を見合せて赤くなった。

「お前ら、さては昼間にやっちゃったな?!」

おじさんの大胆な発言に僕の方が恥ずかしくなってきた。

「おっちゃん、もう勘弁してや~!」

満男もたまらずおじさんの手を振り払った。

「みっちゃん、酔っぱらいは放っておいて早く行って。」

満男は軽く僕たちに挨拶をすると、真理亜の手を取って店を出て行った。

「おーい、みっちゃん。また来いよ~!」

だめだ。完全に酔っぱらいのおっさんだ。

また3人に戻ると、急にテンションが下がってシーンと静まり返った。

「佐奈、もう店閉めようか?」

「えっ?!まだ10時やで。」

「もうええよ。
客も来そうにないし、俺もマリリンちゃんに会いに行かなあかんねん。」

(マリリン?)

確か、おじさん行きつけのスナックで働いている子だ。

「ホンマに閉めてええのん?」

「ええよ。俺先に出て行くから後はベンと二人で適当に片づけといて。
ほんじゃ、よろしく!」

「ちょ、ちょっと、おっちゃん!」

人の話も聞かずに行ってしまった。