ガリ勉くんに愛の手を

それから満男と真理亜も加わって賑やかにクリスマスパーティーの続きを始める事になった。

みんなワイングラスを持ってあらためて乾杯する。

「じゃ、今宵は大勢で楽しいクリスマスを過ごそう!乾杯!」

「乾杯ーっ!」

カチンッ。

しばらくすると、酔いが回ったおじさんと満男が二人で漫才を始めた。

それを聞いて佐奈がツッコみ、となりで真理亜が笑っている。

僕も同じように笑いながら、とても幸せな気分になっていた。

(おっちゃんに佐奈さん、そしてみっちゃんに真理亜さん……)

こうやって一つのテーブルを囲んでみんなで笑っているのを見ると、なんか不思議な気持ちになる。

時には傷つけ、憎んだ相手なのに。

人の心も変われるものなのかな?

いや、そんな簡単には変わる事はできないはずだ。

相手を許すって本当に勇気のいる事だと思う。

(それができる佐奈さんは本当に勇気があって強い人なんだ。)

今さらながら佐奈を好きになった事を誇りに思えてきた。

「真理亜、大丈夫?」

「うん、ちょっと顔が熱いけど……」

ワインを飲んで顔がほんのり赤くなった真理亜を気遣う満男。

そんな満男の優しさに真理亜もいつしか魅かれて行ったに違いない。

(僕も早くあんな風に頼りがいのある男にならなくちゃ……)

「おいっ!ベン。何ボーっとしてんねん。
お前全然飲んでないやろ?早く一気で行け!」

「お、おっちゃん、一気は勘弁してくださいよ。」

おじさんのペースにはまると本当に酔っぱらってしまいそうだ。