そう言えば、まだもらっていなかった。
「い、いや、あの……」
(どうしよう。)
このままでは謝るどころかあの場所にもたどりつけない。
ここを潜り抜ける方法を考えていると、警備員の後ろから僕の名前を呼ぶ声がした。
「大泉さん?」
そこにはスタイリストの木戸友香が立っていた。
「あっ、友香さん!」
彼女は偶然僕に気づいてこっちまで来てくれた。
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっとちあきさんに会いに来て……」
友香は警備員を見て僕のおかれている状況に気づいたようだ。
「すみません。この人は出演者なんです。」
「あ、そうでしたか?失礼しました。」
友香の一言で警備員はすんなりと中へ通してくれた。
僕は彼女にちあきたちのいる現場まで案内してもらえるよう頼んだ。
「本当にすみません。助かりました。
友香さんが来てくれなかったら中にも入れてもらえませんでした。」
「気にしないでください。」
そういいながら、友香はやけに周りをキョロキョロと警戒しているようだ。
「あの、友香さん。
迷惑をかけて本当にごめんなさい。」
「えっ、あ、いえ、そんなんじゃないんです。
でも……」
彼女の言いたい事は察しがついた。
「気を使わなくてもいいんですよ。覚悟はできていますから。」
彼女の顔は僕を哀れんでいるように見えた。
今はやめておいた方が……とでも言いたそうな顔をしている。
「あそこです。
今、関係者たちがあのテントに集まって打ち合わせをしていると思います。」
近づくにつれ、胸が締め付けられて今までにない苦しさを感じた。
「い、いや、あの……」
(どうしよう。)
このままでは謝るどころかあの場所にもたどりつけない。
ここを潜り抜ける方法を考えていると、警備員の後ろから僕の名前を呼ぶ声がした。
「大泉さん?」
そこにはスタイリストの木戸友香が立っていた。
「あっ、友香さん!」
彼女は偶然僕に気づいてこっちまで来てくれた。
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっとちあきさんに会いに来て……」
友香は警備員を見て僕のおかれている状況に気づいたようだ。
「すみません。この人は出演者なんです。」
「あ、そうでしたか?失礼しました。」
友香の一言で警備員はすんなりと中へ通してくれた。
僕は彼女にちあきたちのいる現場まで案内してもらえるよう頼んだ。
「本当にすみません。助かりました。
友香さんが来てくれなかったら中にも入れてもらえませんでした。」
「気にしないでください。」
そういいながら、友香はやけに周りをキョロキョロと警戒しているようだ。
「あの、友香さん。
迷惑をかけて本当にごめんなさい。」
「えっ、あ、いえ、そんなんじゃないんです。
でも……」
彼女の言いたい事は察しがついた。
「気を使わなくてもいいんですよ。覚悟はできていますから。」
彼女の顔は僕を哀れんでいるように見えた。
今はやめておいた方が……とでも言いたそうな顔をしている。
「あそこです。
今、関係者たちがあのテントに集まって打ち合わせをしていると思います。」
近づくにつれ、胸が締め付けられて今までにない苦しさを感じた。