時間は午後4時。
本当ならリハーサルが始まる時間だ。
(どうなったのかな…)
佐奈に会いに行くつもりで【たこ萬】に向かっているのに、途中で放り投げてしまった撮影の事が正直、気になってしょうがなかった。
僕の心は迷っている。
(このまま佐奈に会いに行って良いのかな?)
あゆ美に土下座までさせておいて自分は何もしないで逃げている。
ちあきにもあんなにお世話になったのに……
恩を仇で返すとはこの事だ。
まだ一度も、撮影関係者の誰にもちゃんと謝っていないじゃないか?
段々思いが膨らんでその場で立ち止まった。
(無責任なヤツは嫌だよね?佐奈さん。)
僕の足は自然に【たこ萬】とは反対方向に向かって歩きだしていた。
男としてのケジメをつけてからでも遅くはない。
それから佐奈に会いに行けばいいんだ。
これ以上情けないままの姿を見せられない。
着々と進んで行く撮影のセット。
イチョウの木には一足早くクリスマスのイルミネーションがきれいに飾られていた。
撮影現場では道路の一部が封鎖され、だいぶ手前の方から規制線が張られていた。
辺りには撮影を一目みようと大勢の見物人が集まっている。
そこにかけつけたマスコミの中では色んな情報が錯そうし始めていた。
「大泉勉が入院してるんだって?!
主役がいないんじゃ撮影はどうなるの?中止?」
「代役を立てるの?」
歩いてそう遠くはないのにここへ来るまで20分もかかってしまった。
人ごみをかき分けてなんとか入口までたどり着いたが、そこには大きな壁が待ち構えていた。
強引にくぐり抜けようとした僕の前に何人かの警備員が立ちはだかる。
「ここからは関係者以外立ち入り禁止!」
「すみません。僕も関係者なんです。」
警備員は僕の顔や格好を注意深く見てこう言った。
「許可証を見せてください。」
(許可証?)
本当ならリハーサルが始まる時間だ。
(どうなったのかな…)
佐奈に会いに行くつもりで【たこ萬】に向かっているのに、途中で放り投げてしまった撮影の事が正直、気になってしょうがなかった。
僕の心は迷っている。
(このまま佐奈に会いに行って良いのかな?)
あゆ美に土下座までさせておいて自分は何もしないで逃げている。
ちあきにもあんなにお世話になったのに……
恩を仇で返すとはこの事だ。
まだ一度も、撮影関係者の誰にもちゃんと謝っていないじゃないか?
段々思いが膨らんでその場で立ち止まった。
(無責任なヤツは嫌だよね?佐奈さん。)
僕の足は自然に【たこ萬】とは反対方向に向かって歩きだしていた。
男としてのケジメをつけてからでも遅くはない。
それから佐奈に会いに行けばいいんだ。
これ以上情けないままの姿を見せられない。
着々と進んで行く撮影のセット。
イチョウの木には一足早くクリスマスのイルミネーションがきれいに飾られていた。
撮影現場では道路の一部が封鎖され、だいぶ手前の方から規制線が張られていた。
辺りには撮影を一目みようと大勢の見物人が集まっている。
そこにかけつけたマスコミの中では色んな情報が錯そうし始めていた。
「大泉勉が入院してるんだって?!
主役がいないんじゃ撮影はどうなるの?中止?」
「代役を立てるの?」
歩いてそう遠くはないのにここへ来るまで20分もかかってしまった。
人ごみをかき分けてなんとか入口までたどり着いたが、そこには大きな壁が待ち構えていた。
強引にくぐり抜けようとした僕の前に何人かの警備員が立ちはだかる。
「ここからは関係者以外立ち入り禁止!」
「すみません。僕も関係者なんです。」
警備員は僕の顔や格好を注意深く見てこう言った。
「許可証を見せてください。」
(許可証?)