ガリ勉くんに愛の手を

「優勝者は、
[大泉 勉さん]です。」

発表と同時に「オォー!」と言う歓声が会場内に沸き起こった。

ほとんどの観客は予想外の結果に驚いている様子だ。

そして僕自身も…
(ウ、ウソ…!僕が?!)

何かの間違い?
夢だ、これは夢なんだ。
こんな事って…

想像もしていない出来事が起こってしまった。

まさに奇跡だ!

他の出場者たちも発表の瞬間、目を丸くしながら驚きの表情を見せていた。

そして誰よりもこの結果に驚き、動揺を隠せなかったのは健二だった。

(お、俺が…負けた?)

ここへ来るまでずっと抱いていた不安が現実のものとなってしまった。

周りの人間は優勝候補の健二がどれだけのショックを受けているのか確かめようと興味本位で覗っている。

健二自身、こんな屈辱を味わうのは初めての事。

早くこの場から立ち去りたい気持ちが顔いっぱいに表れている。

司会者が優勝者である僕をちあきのいる舞台中央へと案内して行く。

綺麗な女性から花束を手渡され、顔を引きづりながら少しテレ笑いを浮かべる。

ちあきもまた優勝を祝して握手を求めてきた。

「おめでとう、大泉さん!」

「あ、ありがとうございます。」

パチパチッとフラッシュの音と光が僕の周りで渦巻いている。