―【たこ萬】では
余計な事を言ってしまったおじさんは大人しくテレビを見ていた。
その横で里美が耳打ちをする。
「なぁ、おっちゃん。
あのお姉さんちょっとおかしいで。
さっきまで怖い顔して睨んでたのに今はなんか泣いてるみたいやし。」
(えっ?!)
それを聞いておじさんが佐奈の顔を見た。
佐奈は震える手で顔を押さえながら流れおちる涙を必死で隠そうとしていた。
(佐奈、一体どないしたんや?)
おじさんは佐奈の気持ちも知らずに里美にこう言い返した。
「あぁ、多分…
タコが目にしみて痛いん違うか!」
「なるほど…
って、なんでやねん!」
二人は最後までこの状況に気づく事なくはしゃいでいた。
審査員たちが審議の為、席を立つ。
それに続き、出場者たちも結果発表まで控え室へと帰っていく。
会場内は休憩時間に席を立とうと観客たちが出入口で入り浸っている。
あゆ美とイッコーも会場横のロビーでコーヒーを飲みながら時間をつぶしていた。
「あゆ美さん、どうだった?
やっぱり勉ちゃん、最後の質問にちゃんと答えられなかったし結構きびしいわよね。」
イッコーはもう優勝の望みがないと諦めていた。
「イッコーさん、何か感じなかった?」
「え?!何を?」
あゆ美の目はどこか輝いていた。
誰も気づいていなくてもあゆ美にはそれがわかったに違いない。
(私は感じた。言葉がなくても彼女を想う気持ちが十分伝わってきたわ。
私が審査員なら…
…彼を選ぶ。)
あゆ美は信じる事にした。
たとえ審査員全員が健二を選んだとしてもちあきだけは[大泉勉]を選ぶと…
余計な事を言ってしまったおじさんは大人しくテレビを見ていた。
その横で里美が耳打ちをする。
「なぁ、おっちゃん。
あのお姉さんちょっとおかしいで。
さっきまで怖い顔して睨んでたのに今はなんか泣いてるみたいやし。」
(えっ?!)
それを聞いておじさんが佐奈の顔を見た。
佐奈は震える手で顔を押さえながら流れおちる涙を必死で隠そうとしていた。
(佐奈、一体どないしたんや?)
おじさんは佐奈の気持ちも知らずに里美にこう言い返した。
「あぁ、多分…
タコが目にしみて痛いん違うか!」
「なるほど…
って、なんでやねん!」
二人は最後までこの状況に気づく事なくはしゃいでいた。
審査員たちが審議の為、席を立つ。
それに続き、出場者たちも結果発表まで控え室へと帰っていく。
会場内は休憩時間に席を立とうと観客たちが出入口で入り浸っている。
あゆ美とイッコーも会場横のロビーでコーヒーを飲みながら時間をつぶしていた。
「あゆ美さん、どうだった?
やっぱり勉ちゃん、最後の質問にちゃんと答えられなかったし結構きびしいわよね。」
イッコーはもう優勝の望みがないと諦めていた。
「イッコーさん、何か感じなかった?」
「え?!何を?」
あゆ美の目はどこか輝いていた。
誰も気づいていなくてもあゆ美にはそれがわかったに違いない。
(私は感じた。言葉がなくても彼女を想う気持ちが十分伝わってきたわ。
私が審査員なら…
…彼を選ぶ。)
あゆ美は信じる事にした。
たとえ審査員全員が健二を選んだとしてもちあきだけは[大泉勉]を選ぶと…
