― ちあきのマンション

「あゆ美さん、すごい高層マンションですね。」

「そうね。ここは東京の一等地だもの。
私もここまですごいとは思っていなかったけど。」

あゆ美にとってちあきは昔からの友人であり、かつて同じ道を目指したライバルでもあった。

そんなちあきが出世して有名人になって嬉しい反面、正直悔しいと思っていた。

(もう少しの辛抱よ。勉くんが優勝すれば私だってマネージャーとしてこの世界で活躍できるんだから。)

その為にはち、あきの力がどうしても必要だ。

だからこうやってここまで来たのだから…

「とりあえず、上がりましょうか。」

「はい。」

ちあきはここの最上階に住んでいる。

♪ピンポーン♪

「はーい。」

中からちあきの声がした。