そして段々それが勇気となり、自信となって僕の態度に現われ始めた。

丸まっていた背筋がピンと伸びる。

いつしかみんなに見られていることが快感になって胸を張って堂々と歩けるようになってきた。

(これが今の僕なんだ。みんなが僕に注目している。)

変わりつつある僕を目で追いながら、イッコーとあゆ美は遠くからそっと見守ってくれていた。

「勉ちゃん、いけるわね。」

「そうね。あの子なら大丈夫よ。」


♪プルルルル…プルルルル♪

その時、あゆ美の携帯に着信が入った。

(ちあきからだわ。)

「もしもし?」

「あゆ美?ちあきだけど、勉君どうだった?」

「うん。ばっちりよ。これも全部ちあきのおかげだわ。
本当に感謝しています。」

「いいのよ、気にしないで。」

あゆ美はちあきに心から感謝していた。

もし、ちあきの協力がなかったら、ここまでこれなかったに違いない。

「あゆ美、今から私のマンションに来れる?」

「えっ?!あ、うん。
いいけど…」

なぜ突然、ちあきがそんな事を言い出したのか?

「私もイケメンの勉君と会ってみたいわ。」

「あ、ああそうね。
ちあきには是非見てもらいたいわ。」

「そう、じゃ待ってるから。」

「うん、わかった。」

ガチャッ。