あれから1週間。

あゆ美は必死でトレーニングを進めて来たが、思うように成果は上がらず、時間だけが過ぎて行った。

(どうしよう、こんなはずじゃなかったのに…)

焦る気持ちが段々苛立ちへと変わって行く。


そんな時、あゆ美あてに1本の電話が入った。

♪プルルルルル…プルルルル…♪

(あっ、ちあきからだわ。)

携帯の着信を見て戸惑ったが、やはり受ける事にした。

「もしもし。」

「あゆ美、どう?がんばってる?」

「う、…うん。」

ちあきがわざわざ電話をかけてくるとは偵察をしているのか?

あゆ美の気のない返事に初日から苦戦している姿が目に浮かんでくるようだ。

「あなたのような素人がやってたんじゃ、いつになっても成長しないわよ。」

「なんですって?!
バカにするなら切るわよ。」

あゆ美は本気で頭にきた。

「ちょっと落ち着いて。
あなたをバカにするつもりなんてないわ。

残り3週間、私がとっておきのトレーナーをつけてあげるわ。」