その日を境に僕はまた【たこ萬】でアルバイトをする事にした。

そして…

新しいアルバイトの里美ちゃんの先輩になった。

「里美ちゃん、この人はちょっと前までここでバイトをしていた先輩や。

わからん事があったら何でも聞いてや。」

おじさんが僕を紹介してくれた。

「里美ちゃん、僕、大苅勉って言います。
おっちゃんも[ベン]って呼んでるから君もそう呼んでね。」

「東京弁?キモイ…」


(ううっ、最初っからつまずきそうな雰囲気。
でも僕はめげないぞ!)

今まで散々佐奈にキツイ事を言われてきた。

いつの間にか根性も鍛えられたんだ。

佐奈がいなくてもやっていける。

そう信じて頑張らないと……

やっぱりここじゃないと僕は僕らしくいられないんだ。

おじさんと一緒に佐奈のいない【たこ萬】を盛り上げていこう。

そう心に決めた。