佐奈がいなくなってちょうど1カ月が過ぎようとしていた。
僕は、あの日から店には一度も顔を出していない。
それは、おじさんと喧嘩したからではなく、あそこに行くと佐奈の事を思い出して辛くなるから。
早く忘れないと……
僕はがむしゃらに勉強に打ち込んだ。
佐奈への未練を断ち切るために……
実力テストも無事終え、少し余裕が出てきた頃。
塾の帰り満男から声をかけられた。
「勉、久し振りにアレ行こうか?」
「アレ?」
「寄り道に決まってるやん。」
「どこへ?」
「分かり切った事を聞くな~。
【たこ萬】に決まってるやろ!」
(【たこ萬】?!)
まだあそこに行く自信はない。
(おじさんにあんなひどい事を言って…正直、会わす顔がない。)
【たこ萬】には新しいアルバイトの子が入ったと満男から聞いていた。
その事が一番気がかりだった。
佐奈と僕が同時にいなくなっておじさんは困っていたに違いない。
娘のように可愛がっていた佐奈がいなくなって僕よりおじさんの方がずっとつらいのに……
それを知りながら僕はずっと逃げていたのだから…
気乗りしないまま満男に引っ張られて【たこ萬】へ…
僕は、あの日から店には一度も顔を出していない。
それは、おじさんと喧嘩したからではなく、あそこに行くと佐奈の事を思い出して辛くなるから。
早く忘れないと……
僕はがむしゃらに勉強に打ち込んだ。
佐奈への未練を断ち切るために……
実力テストも無事終え、少し余裕が出てきた頃。
塾の帰り満男から声をかけられた。
「勉、久し振りにアレ行こうか?」
「アレ?」
「寄り道に決まってるやん。」
「どこへ?」
「分かり切った事を聞くな~。
【たこ萬】に決まってるやろ!」
(【たこ萬】?!)
まだあそこに行く自信はない。
(おじさんにあんなひどい事を言って…正直、会わす顔がない。)
【たこ萬】には新しいアルバイトの子が入ったと満男から聞いていた。
その事が一番気がかりだった。
佐奈と僕が同時にいなくなっておじさんは困っていたに違いない。
娘のように可愛がっていた佐奈がいなくなって僕よりおじさんの方がずっとつらいのに……
それを知りながら僕はずっと逃げていたのだから…
気乗りしないまま満男に引っ張られて【たこ萬】へ…