満男はどんどん知らない道へと入って行く。

「あの~、どこまで行くんですか?」

「まあ、僕について来なさい。」

僕の影響なのか満男はたまにおかしな関東弁を話す事がある。

「満男くん…」

駅横の細い道を通って裏側に出るとそこは繁華街。

塾から10分ほどで目的地にたどりついた。

(ここ?)

僕の目に飛び込んで来たのは……

こんな夜遅くに自分と同じ年代の若者が大勢集まっている場所。

(す、すごい!)

僕はあっけに取られ、声も出ない。

「お~い、
勉、大丈夫か?あそこに看板見えるやろ。」

屋根の低い古い店に目立つ看板【たこ萬】と書いてあるのが目に飛び込んできた。

「あそこが[ミナミ]で一番有名なたこ焼き専門店や。」