~佐奈の気持ち④~

中学3年生の頃、うちは健二に憧れていつも追っかけていた。

カッコよくて面白くて…

健二はすごく女の子にモテたから、うちなんか相手にしてもらわれへんかったし…

ずっとうちの片思いやと思ってた。

ある日、うちのお母ちゃんが病気で倒れて入院した時、健二はまっ先にうちのところへ駆けつけてくれた。

「佐奈!お母ちゃん大丈夫か?」

「うち、うち…
お母ちゃんにもしもの事、あったらどないしよう…?」

そんな不安げなうちをギュっと抱きしめてくれて…

「大丈夫や。お前には俺がついてる。
心配するな!」

そう励ましてくれた。

それから健二と付き合うようになって…

最初は健二がうちの事、同情してくれてるんやと思ってた。

でもだんだんお互い本気で好きになってまだ若いのに将来を誓いあう仲に……