―おじさんの部屋

「ベン!
お前、とうとう佐奈に告白したんか?!」

「はい。」

僕は照れながらその事を報告した。

「そうか、お前見かけによらずやる時はやるな~。」

なぜか、おじさんの方がうれしそうだ。

「でも、微妙なんですよね。声が小さすぎて佐奈さんに伝わったのかな…?」

2回目はおじさんに邪魔されて…

「大丈夫!ちゃんと伝わってるよ。
あとは佐奈の気持ちやな。」

「えっ?! 
ぼ、僕はもう十分です。」

「何?それで満足っちゅう事?」

「え、ええ。」

「アホか?!
それやったら恋愛にならんやろ。
ただの片思いや。」

「で、でも、僕みたいな頼りない男、絶対…無理ですよ。」

おじさんが呆れた顔で…

「お前、ホンマにそれでええんか?

同い年のヤツらみたいに腕組んだり、イチャイチャしながらデートしたくないか?」


「イチャイチャ…
   …デート?」

(佐奈さんとデート?)

その姿が頭の中に浮かんできた。

佐奈と手をつないで楽しそうに歩く姿を……

ウフッ…ウフッ…

(なんや、こいつ?!
俺よりムッツリスケベやな。)