目撃した女子生徒によると…

汚いジャンパー姿に黒いサングラス、なぜかハチマキを巻いていて、どこから見ても[変なおじさん]のようだ。

「わかった。変質者かも知らんからみんなここで待っとくように。」

そう言って、先生は警備員と共に階段を下りて行った。


「勉、[変なおじさん]やて?
面白そうやから一緒に見に行けへんか?」

出た!満男のモノ好き。

まぁ、僕も気にはなるが…

野次馬をかき分け、二人で階段を降りて行った。

「あの~、失礼ですがここで何をしているんですか?」

警備員がその[変なおじさん]に質問した。

「え? お、俺?!」

その[変なおじさん]は自分が疑われている事など、全く知らない様子で…

「いや、別に…あの…」

やましい事があるのか、いかにも挙動不審な態度で周りをキョロキョロ見わたしている。

「ちょっと、事務所に行って話聞かせてもらいましょうか?」