ガリ勉くんに愛の手を

僕は最近当たり前のように【たこ萬】に顔を出し、佐奈の手伝いをする。

これが、今の僕にとって

 やりがい…
 生きがい…
 しあわせ…

一番充実した時間。

軟弱に見えるだろうが僕、これで結構辛抱強いんだ。 
大沢のおじさんも僕のがんばりだけは認めてくれている。

「よう、ベンにもそろそろたこ焼きの焼き方を伝授したろうか?!」

「ほ、本当ですか?!」

て事は僕を一人前だと認めてくれたって事?

(やったーっ!)

今までの苦労が遂に報われる日が来た!

(頑張ったよな~、僕…)

嬉しくて思わずガッツポーズを見せる。

そんな僕を冷やかな目で見ていたのは佐奈。

相変わらず、クールな視線に嫌な予感は的中した。

「あかんで、おっちゃん。ベンにはまだ早い!
お皿も割ってばっかりやし!

もうちょっと、まともに働けるようになってからでいいよ!」

なんてキツいお言葉!!

(佐奈さん、そりゃ、ないですよ!)

と、声を大にして言いたいところだが、佐奈に面と向かって言う勇気は……

僕にはない。