「お姉ちゃん…。」

そうだ。
お姉ちゃんは
いつも私に気を使ってくれた。
歩道を歩くとき、
いっつも危ないからって言って
車側を歩いてくれた。


いつになっても片づかない
私の部屋を
一緒に片づけてくれた。


私が困っていたとき、
絶対お姉ちゃんが話を聞いてくれる。


私、お姉ちゃんの
なにを見てきてたんだろう。

「莉衣菜。」
いきなり翔平が私を呼ぶ。

「由衣菜のとこ、
いってこい。」

優しい笑顔でそういってくれた。


わたしは頷いて、
思いっきりドアを開いた。


「お姉ちゃん!!」