あの時は楽しかった…。
なんでか俺はがんをとばされたにもかかわらず、この女を抱きしめていた。

「ちょ…はなしてよ」

女は俺を拒んだ。

「はなせっていってんだろ親父」

そして突き放された。

「おっさん誰。」

親父やおっさんなんて言われたのは初めてだ。
どーみても10歳も離れていないやつにおっさんなんて…。

「おい。てめぇなまいきだ。」
こっちは助けてやろうとしたのに、なんなんだよこのガキは。

「俺はホスト界ではながしれてる聖夜て言うんだ。」

「きもっ…」

なんなんだよこいつ…

「お前はなんつーんだよ」

「ゆきな…柳沢雪菜…」

そう。
俺はこんなガキに落ちるなんておもってもいなかった。