ゆきなSide☆

寂しくなんかないもん
私は私。
他のだれでもないよ。
颯太…。
なんでいつも私じゃなくて
お姉ちゃんをみているの…。

「颯太…ちょ…あっ」
颯太の手が私の胸に触れる。

「雪菜…好きだよ」
そういって颯太は私のスボンに触れそれをおろす。

わかってる。
颯太は優しいから私の側にいるだけなんだよね…。

「ちょ…颯太いた…」
私は涙が枯れるほど泣いた。
痛い…
とかではなく。
心がむなしい…

「雪菜…大丈夫?」
そういって颯太は動く。

「雪菜ごめん…」
私はなにも言わなかった。
そして、颯太は部屋を出て行った。

「なんで…なんでいつもお姉ちゃんなの?私は…私なんだよ…」

私は颯太が出たあとすぐに部屋を飛び出して行った。

「綺麗だな…」
私は空を見上げた。
時間はもう夜で空には星がずらりと並んでいた。
こんなにも空をみたことなかったっけ…。

柳沢雪菜(14)
たった今バージンをなくし途方にくれてるただの中学生。
相手は幼なじみの…死んだお姉ちゃんのことを今も好きな小河颯太(17)。

高校生からしてみれば中学生なんて子供。
扱いやすおもちゃ。

だから
すぐに遊ばれたんだな…。

ずっと好きで大好きで大切な幼なじみ。
でも、小さい頃から見てればわかるよ…。
颯太はいつもお姉ちゃんのことみてたよね…。
あんまりに見兼ねて、私は告白した。
そして付き合った。
お姉ちゃんがいたらきっと颯太は私なんかとは付き合わなかった。

だから…
私はお姉ちゃんなんかいなくなってよかったなんて思った。

ごめんねお姉ちゃん。
こんな…最低な妹で。

お姉ちゃんが死んで約3年がたった。
お姉ちゃんは私が小学生の時に誰かわからない人に刺されて死んでいった。

実際は自殺。

私とお姉ちゃんは3つ離れてて。
お姉ちゃんと颯太は同級生。

お姉ちゃんが死ぬ間際に私にこう告げた。

「あんたは私みたいなことにならないでね…。」

これがお姉ちゃんの最後に聞いた声だった。

お姉ちゃんは自殺するほんの半年前にレイプにあった。
それで子供がいることを私だけが知っていた。
お姉ちゃんは子供と一緒に死んでいったんだ。