あのパーティーの日から2ヶ月が過ぎ、セミの喧騒に包まれる季節となった。

周りが解放的な気分になっていくのとは対称的に、美月の心は更に閉鎖的となっていた。

悠斗から何度か食事の誘いのメールを貰っていた美月だが、多忙を理由に全て断っていた。


この気持ちは育ててはいけない、自分だけ幸せを感じるのは許されない。


美月はそう自分に言い聞かせていた。


自分が人を好きになることでまた誰かを傷つけてしまうのが怖い……

……本当はそれだけじゃない。

本当は……

自分が傷つくのが怖いんだ……。


美月はそう気づいていた。